TAVIは大動脈弁の血行動態をどう変えるか
Pressure gradient vs. flow relationships to characterize the physiology of a severely stenotic aortic valve before and after transcatheter valve implantation
背景
経カテーテル大動脈弁留置(TAVI)術の盛行は、狭窄大動脈の病態生理の理解に深化をもたらしてる。オランダCatharina HospitalのToninoらは、TAVI前後における、ドブタミン試験下での大動脈-左室圧勾配(ΔP)・経大動脈弁流量(Q)・心拍出量の評価データを解析した(n=16)。
結論
TAVI前にはΔPとQの間には一貫した関係がなかった。安静時には線型レジスター(抵抗器)モデルも二次型オリフィス(管孔)モデルも実測ストレスを予測しえず、重度狭窄弁は両モデル混合的に振る舞った。ストレス下収縮期駆出中における大動脈/左室圧比は、TAVI後の流量改善と最も相関した。TAVI後にはΔPとQの間に高度な線型関係が成立し、TAVI弁による抵抗実効化が確認された。
評価
ASの病態生理としてオリフィスモデルとレジスターモデルが提案されているが、いずれも単独では成立しない一方、TAVIにより留置弁は純粋なレジスターデバイスとなる、とした。著者らは、運動負荷による「弁のFFR」測定がAS評価で重要である、としている。


