心房細動アブレーションは薬物療法に比べ精神症状をも改善する
Atrial Fibrillation Catheter Ablation vs Medical Therapy and Psychological Distress: A Randomized Clinical Trial
背景
心房細動(AF)患者へのカテーテルアブレーションのメンタルヘルスアウトカムへの影響は。
オーストラリアRoyal Melbourne HospitalのAl-Kaiseyら(REMEDIAL)は、AF患者100名を心房細動カテーテルアブレーションを受ける群と薬物療法のみの群に割り付け、これを検討するRCTを行った。一次アウトカムは、12ヵ月時点の病院不安・抑うつ尺度(HADS)スコアである。
結論
AF患者へのアブレーションの一次アウトカムに対する効果を認めた(12ヵ月時のHADSスコア:7.6 vs. 11.8)。
重度の精神的苦痛・不安・うつの全スコアでアブレーション群が低く、AF負荷中央値も薬物療法群に優った(0% vs. 15.5%)。
評価
アブレーションの心理効果を初めて評価した興味深いRCTである。アブレーションがAFの頻度を下げる一方、生命アウトカムには影響しないというデータがあるが(https://doi.org/10.1001/jama.2019.0693, https://doi.org/10.1001/jama.2019.0335)、ここでの心理効果は広義のQOL改善の一環と言える。ただし、シャム手術を対照としていないここでのデザインは、プラセボ効果を排除できない。