AIは大腸内視鏡検査のポリープ検出を改善せず:CADILLAC
Role of Artificial Intelligence in Colonoscopy Detection of Advanced Neoplasias: A Randomized Trial
背景
大腸内視鏡検査にもコンピュータ支援検出/診断(Computer-Assisted Detection/Diagnosis;CAD)が導入され、腺腫発見率(ADR)を向上させると目されているが、臨床的に重要な病変の発見を増加させているかに関しては議論がある。
スペインHospital General Universitario Dr. BalmisのMangas-Sanjuanら(CADILLAC)は、同国の大腸がん検診プログラムにおいて免疫学的便潜血検査(FIT)が陽性であった参加者を、CAD併用の大腸内視鏡検査または併用しない大腸内視鏡検査へと割り付け、advanced neoplasia(advanced adenomaまたはserrated polyp)の検出について比較する多施設並行RCTを実施した。
結論
大腸advanced neoplasiaの検出率は、CAD併用群で34.8%、対照群で34.6%であり(調整率比 1.01)、検査1回あたりの平均検出数にも差はなかった(0.54 vs. 0.52, 1.04)。
CAD併用は、非polypoid病変の検出数、近位腺腫の検出数、5 mm以下の病変の検出数を増加させた。
評価
CADの併用は、進行腺腫・ポリープの検出数増加には繋がらず、非ポリープ状病変、小さな病変の検出を増加させた。併載されたRCTのメタアナリシスにおいても、CAD群で腺腫全体の検出率が増加していた以外は同様の結果が導かれており(https://doi.org/10.7326/M22-3678)、CADの真の貢献はなお論争的である。

