小児の主幹動脈閉塞脳卒中でも血管内治療が有益
Association Between Thrombectomy and Functional Outcomes in Pediatric Patients With Acute Ischemic Stroke From Large Vessel Occlusion
背景
小児の主幹動脈閉塞(LVO)脳梗塞は、小児10万人あたり年間0.2件という非常に稀な疾患であり、その自然経過は不良である。近年、成人LVOに対しては血管内治療の有益性が確立され、その適応も拡大されつつあるが、小児ではどうか?
オーストラリアChildren's Hospital at WestmeadのBhatiaらは、2011〜2022年にオーストラリア・カナダの三次病院からプールされた脳卒中レジストリのデータを用い、生後1ヵ月以上、18歳未満の急性LVO患者に対して行われた血管内治療と保存的管理の臨床アウトカムを比較した。
結論
血管内治療を受けた31名(うち脳底動脈閉塞の5名が除外)と、内科的治療により保存的に管理された46名から、各26名が階層的にマッチングされた。
血管内治療を受けた患児では、3ヵ月後の小児修正ランキンスケール(mRS)が有意に優った(オッズ比 3.76)。このアウトカム改善は、利用可能な最終フォローアップ時点でも持続していた(3.65)。
評価
集団ベース研究によれば、保存的治療は不良なアウトカムと関連していたが(https://doi.org/10.1001/jamaneurol.2022.0323)、症例対照を行ったこの研究でも血管内治療の意義が示唆された。疾患の稀少性もあって、今後もRCTは困難と考えられ、この研究は重要な指針となる。