再発・難治性多発性骨髄腫にセレブロンモジュレーターmezigdomideが登場
Mezigdomide plus Dexamethasone in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma
背景
多発性骨髄腫(MM)の治療は過去20年、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤の登場により大きな進歩を果たしが、依然ほとんどの患者は再発し、3クラス耐性へと至る。
アメリカDana-Farber Cancer InstituteのRichardsonらは、再発・難治性MM患者を対象に、セレブロンE3ユビキチンリガーゼモジュレーターであるmezigdomideとデキサメタゾンを投与し、安全性と薬物動態を評価する第1相用量漸増試験、安全性と有効性を評価する第2相用量拡大試験を実施した。
結論
第1相試験には77名が登録された。一般的な用量制限毒性として好中球減少症・発熱性好中球減少症があった。第2相試験における推奨用量は1.0 mg、デキサメタゾンと併用して1日1回21日間の投与、その後7日間の休薬と決定された。第2相試験では101名が投与を受け、その全員が3クラス抵抗性であり、30%はBCMA療法歴があり、40%が形質細胞腫であった。最も一般的な有害事象は好中球減少症(77%)・感染症(65%)で、大半が可逆的であった。部分奏効以上の奏効は、患者の41%に認められ、奏効持続期間は中央値7.6ヵ月、無増悪生存期間は中央値4.4ヵ月であった。
評価
転写因子AIOLOS・IKAROSの分解に作動する新クラス薬であり、3クラス耐性MM患者の4割に奏効をもたらした。同クラス薬、iberdomideの第1/2相試験も、3割を超える奏効を報告しており、新たな治療オプションとして期待される。第3相として、ボルテゾミブと組み合わせるSUCCESSOR-1試験(NCT05519085)、カルフィルゾミブと組み合わせるSUCCESSOR-2試験(NCT05552976)が進行中である。