急性副鼻腔炎ではAMPC/CVAよりAMPCの方が副作用が少ない
Treatment Failure and Adverse Events After Amoxicillin-Clavulanate vs Amoxicillin for Pediatric Acute Sinusitis
背景
急性副鼻腔炎は、小児で最も一般的な抗菌薬適応疾患の1つであるが、経験的抗菌薬治療における最適な選択肢についてはコンセンサスがない。
アメリカBrigham and Women's HospitalのSavageらは、全国規模の医療利用データベースにおいて、外来で急性副鼻腔炎と診断され、当日にアモキシシリン/クラブラン酸(AMPC/CVA)またはAMPCの新規処方を受けた17歳までの小児を対象としたコホート研究(N=320,141)を実施し、AMPC/CVAとAMPCの治療失敗リスク/有害事象を比較した。
結論
198,942名が傾向スコアによりマッチングされた。患者の年齢は、0〜5歳が22.7%、6〜11歳が26.2%、12〜17歳が51.1%であった。
治療失敗は1.7%、救急受診または入院を要する重篤な治療失敗は0.01%であった。AMPC/CVAとAMPCに治療失敗リスクの差はなく(相対リスク 0.98)、消化器症状(1.15)、カンジダ症(1.33)のリスクはAMPC/CVAで増加した。年齢によって層別化すると、AMPC/CVAの治療失敗リスクは、12〜17歳のグループでのみ有意に低く、有害事象リスクは0〜5歳、6〜11歳のグループで高くなった。
評価
抗菌薬を必要とする急性副鼻腔炎においては、どちらのオプションも十分信頼できるが、有害事象リスクはAMPC/CVAを使用した場合の方が高いと考えられた。AMPCをファーストチョイスに推すエビデンスとなる。