脳震盪後の青少年では早期に運動を再開する
Activity and Recovery Among Youth With Concussion: A Meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Pediatrics
年月
April 2023
151
開始ページ
e2022059592

背景

脳震盪後の小児患者では、従来、数週間の安静を維持することが推奨されてきたが、近年のエビデンスは脳震盪後の回復についての考え方に変更を迫っている。
カナダUniversity of British ColumbiaのChauhanらは、脳震盪後の身体・社会活動への早期復帰が小児・青少年患者の回復アウトカムに与える影響を評価するため、系統的レビュー・メタアナリシスを実施した。対象となったのは、脳震盪後の小児・青少年における症状、生活の質(QOL)、受傷前の活動レベルへの復帰について、介入の効果を検証し、2022年10月までに公表されたランダム化比較試験(RCT)、その他の研究であった。

結論

最終的に24件の研究が含まれ、うち10件がRCTであった。
活動介入は、報告された症状に関して有意な効果を認めた(標準化平均差 0.39)。QOLについての有意な効果は認められなかった。また、受傷前の活動レベルへの復帰についてはRCTの数が十分でなく、メタアナリシスが実施されなかった。

評価

脳震盪後の青少年において、早期の運動復帰を促す介入が症状の軽減に役立つことを、メタアナリシスにより確認した。最近では、各種スポーツで段階的復帰プロトコルも整備されており、適切な競技復帰の指針となるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)