鉄欠乏患者の心不全に対し鉄補給は無益:HEART-FID
Ferric Carboxymaltose in Heart Failure with Iron Deficiency
背景
鉄欠乏を伴う心不全患者に対する鉄補充療法の効果には結論がない。
アメリカDuke UniversityのMentzら(HEART-FID)は、左室駆出率40%以下の外来鉄欠乏患者3,065名を対象として、標準治療へのカルボキシマルトース第二鉄(FCM)静脈内投与追加の効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、無作為化後12ヵ月以内の死亡・心不全による入院、および6分間歩行距離のベースラインから6ヵ月目までの変化である。
結論
FCM追加の一次アウトカムに対する効果を認めなかった。安全性アウトカムに差はなかった。
評価
同主題で直近のAFFIRM-AHF・IRONMANは共に否定的であり、一般的アプローチとしては否定的評価(非推奨)が確定した。もちろん、ベースラインでトランスフェリン飽和値が非常に低い患者での有益性は否定できない。