AdaptiveCRTは無益?:AdaptResponse
Adaptive versus conventional cardiac resynchronisation therapy in patients with heart failure (AdaptResponse): a global, prospective, randomised controlled trial
背景
左脚ブロック(LBBB)を認めるが、正常な房室伝導を有する心不全患者では、Adaptive CRTによる右室同期左室ペーシングが両室CRTよりも有用な可能性がある。
アメリカCleveland ClinicのWilkoffら(AdaptResponse)は、これを検証する国際RCTを行った(患者側のみ盲検化)。患者は、NYHAクラス?〜?/駆出率35%以下/LBBBでQRS時間が140 ms以上の男性または130 ms以上の女性/PR間隔200 ms以下で、18歳以上の心不全患者3,617名。一次アウトカムは、全死因死亡または心不全の代償不全による治療介入の発生である。
結論
第3回中間解析において無益性境界を超えたため、試験は中断された。追跡期間中央値は59ヵ月だった。一次アウトカムは両群ともにおよそ1/4の患者で発生した。CRTシステム関連の有害事象は、両群でおよそ1/4の患者で報告された。
評価
不要な右室ペーシングを抑えるアルゴリズムを導入したMedtronicの最新モデルで、小規模有益結果が報告されている。大規模前向検証による有益性の確立が期待されたが、意外にも無益性中止となった。ただし、多くの機器メーカは、このモデルに移行する方向とみられ、なんらかの有益性を検出するための検証が、さらに行われるものとみられる。


