初回の除細動でショック抵抗性VFを予測する
Prediction of Shock-Refractory Ventricular Fibrillation During Resuscitation of Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
ショック抵抗性心室細動(VF)は複数回の除細動にもかかわらず、持続するVFであり、ショック抵抗性VFを呈する院外心停止患者の予後は一般に不良である。ショック抵抗性であることをいち早く予測できれば、別の治療への切り替えにより、予後を改善しうる。
アメリカUniversity of WashingtonのCoultらは、ショック抵抗性VFを呈し、除細動器の記録が残る院外心停止患者のコホートを、トレーニングセットとテストセットへとランダムに分割し、初回の除細動前後の心電図からショック抵抗性VFを予測するアルゴリズムを開発した。
結論
VF院外心停止患者1,376名のうち、62.7%が抵抗性VFであった。除細動の回数は、生存可能性の低下と関連していた(相対リスク 0.95)。開発された機械学習アルゴリズムは、テストセットの患者において抵抗性VFを、受信者動作特性曲線下面積(AUC)0.85で予測し、感度は63%、特異度91%、陽性尤度比6.7であった。
評価
ショック抵抗性VFを初回ショック時の心電図から予測しうることを実証した。こうした予測に基づく(抗不整脈薬の早期投与や除細動方法の変更といった)治療の変更が、予後の改善に繋がるかが、次の検証課題となるだろう。