AMI後の心原性ショックにはエピネフリンよりノルエピネフリンが安全?
Epinephrine Versus Norepinephrine for Cardiogenic Shock After Acute Myocardial Infarction
背景
急性心筋梗塞後の心原性ショック(CS)に対し、ノルエピネフリンとエピネフリンとで効果・安全性に差はあるのか。フランスUniversite de LorraineのLevyらは、これを検証するRCTを行った(n=57)。一次有効性アウトカムは 心指数の変化、一次安全性アウトカムはCSの治療不応(refractory)化である。
結論
一次有効性エンドポイントに差はなかった。一次安全性エンドポイントではエピネフリン群(37%)が、ノルエピネフリン群(7%)より治療不応化率が高かった。エピネフリン群ではノルエピネフリン群より心拍数上昇例が多く、代謝性アシドーシス等異常代謝変化が多かった。
評価
この両者の比較は広汎に共有されている問題意識だが、本格的RCTがないという。有効性には差はないが安全性でノルエピネフリンが優る、という明確なメッセージを出した。Refractoryt CSという安全性エンドポイントの客観性に問題がある等批判もあり、結論的ではない。