AMI後の心原性ショックにはエピネフリンよりノルエピネフリンが安全?
Epinephrine Versus Norepinephrine for Cardiogenic Shock After Acute Myocardial Infarction

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
July 2018
72
開始ページ
173

背景

急性心筋梗塞後の心原性ショック(CS)に対し、ノルエピネフリンとエピネフリンとで効果・安全性に差はあるのか。フランスUniversite de LorraineのLevyらは、これを検証するRCTを行った(n=57)。一次有効性アウトカムは 心指数の変化、一次安全性アウトカムはCSの治療不応(refractory)化である。

結論

一次有効性エンドポイントに差はなかった。一次安全性エンドポイントではエピネフリン群(37%)が、ノルエピネフリン群(7%)より治療不応化率が高かった。エピネフリン群ではノルエピネフリン群より心拍数上昇例が多く、代謝性アシドーシス等異常代謝変化が多かった。

評価

この両者の比較は広汎に共有されている問題意識だが、本格的RCTがないという。有効性には差はないが安全性でノルエピネフリンが優る、という明確なメッセージを出した。Refractoryt CSという安全性エンドポイントの客観性に問題がある等批判もあり、結論的ではない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)