皮下植え込み型除細動器(S-ICD)は高い安全性・有効性
Postapproval Study of a Subcutaneous Implantable Cardioverter-Defibrillator System
背景
皮下植込み型除細動器(S-ICD)の有用性・安全性に関して、すでに多数の小規模報告がある。
アメリカMedical University of South CarolinaのGoldら(S-ICD PAS [Subcutaneous Implantable Cardioverter-Defibrillator System Post Approval Study])は、全米86施設における多様な患者群でのS-ICDの長期的な安全性・有効性を前向検証した(患者1,643名、追跡期間中央値4.2年)。有効性エンドポイントは初回および最終的なショックの有効性、安全性エンドポイントはS-ICDシステム、または植込み手技に直接関連する合併症である。
結論
事前指定安全性・有効性エンドポイントはすべて達成された。心室頻拍・心室細動の個別エピソードに対するショックの有効率は98.4%であり、追跡年数による有意差はみられなかった。S-ICD関連合併症のない患者は93.4%、電極関連合併症のない患者は99.3%であった。ペーシングの必要性からTV-ICDに交換された患者は1.6%であった。累積全死亡率は21.7%であった。
評価
S-ICDに関する最大・最高信頼度の承認(市販)後調査報告で、その安全性・有効性を担保した。ペーシング適応のない症例でのスタンダードとなる可能性が高い。

