心血管疾患の遺伝子・ライフスタイルリスク因子は独立
Associations of Combined Genetic and Lifestyle Risks With Incident Cardiovascular Disease and Diabetes in the UK Biobank Study
背景
UKBiobankのビッグデータは、心血管疾患リスクへの遺伝子・生活習慣因子の研究に新しい可能性を開いている。オランダUniversity Medical Center GroningenのSaidらは、339,003名に関するUKBiobankデータに基づき、冠動脈疾患・心房細動・脳卒中・高血圧症・T2Dにおける生活習慣リスク因子と遺伝子的リスク因子の関連を検討した。主要アウトカム指標は、遺伝子‐生活習慣リスク因子との関連における新規心血管疾患・糖尿病発症リスクである。
結論
遺伝子因子と生活習慣因子は、イベント発生に関しログ加法的に独立な予測因子であり、どのアウトカムに関しても相互作用はなかった。遺伝子低リスク者が生活習慣良好であった場合と比べ、遺伝子高リスク者での劣悪生活習慣は、冠動脈疾患(HR:4.54)・心房細動(5.41)・高血圧症(4.68)・脳卒中(2.26)・糖尿病(15.46)の高リスクと関連した。
評価
アメリカから同様な発想による研究が出ており結論も類似するが(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1605086)55,000名のデータであり、今回のオランダ研究の規模には遥かに及ばない。