HIV感染者の心血管疾患予防にピタバスタチン:REPRIEVE
Pitavastatin to Prevent Cardiovascular Disease in HIV Infection
背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者の心血管疾患リスクは、スタチンにより軽減できるか。
アメリカMassachusetts General HospitalのGrinspoonら(REPRIEVE)は、抗レトロウイルス療法を受けているHIV感染者で心血管疾患リスク低〜中等度の7,769名を対象として、ピタバスタチンの心血管疾患リスクに対する効果を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、主要有害心血管イベント(MACE: 心血管死・心筋梗塞・不安定狭心症による入院・脳卒中・TIA・末梢動脈虚血・血行再建・原因不明死亡の複合)である。
結論
参加者のCD4細胞数中央値は621/mm3、HIV RNA量はデータを入手しえた87.5%の患者で定量下限未満であった。追跡期間中央値5.1年で、一次アウトカムに対する実薬群の有効性が明らかとなり(HR 0.65)、試験は早期終結された。筋関連症状は実薬群が高かった(2.3% vs. 1.4%)。
評価
長く示唆されていたHIV感染患者へのスタチンの有益性(https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(15)00980-7/fulltext)を確認するための決定的な大規模検証である。作用機序は脂質低下作用を超える抗炎症作用であるとみられており、炎症性バイオマーカーを評価するサブスタディが行われている。