重症子癇前症患者の心機能障害
Acute Cardiac Effects of Severe Pre-Eclampsia
背景
重症子癇前症(PEC)による心血管障害の病態は不詳である。Johns Hopkins UniversityのVaughtらは、63名のPFC患者と36名の健常妊婦の心エコー検査を行った。
結論
PEC患者は右室収縮期圧(RVSP)が有意に高く (31.0 mmHg vs. 22.5 mmHg)、同長軸方向収縮期ストレイン(RVLSS)が低下していた(-19.6 vs. -23.8 )。左室側でも、僧帽弁septal e'velocity・中隔 E/e比・ 大動脈弁口面積・後壁厚・中隔厚にも有意差を認めた。12.7%にグレードII拡張機能障害、9.5%に周産期肺水腫が発生した。
評価
子癇前症は末梢抵抗の全般的上昇による両室機能の劣化で重症化する、という見方を支持する。胎児への影響を回避できる治療標的を確定するためには、更なる検討が必要である。