高齢者の腹部大動脈瘤検診は無益
Benefits and harms of screening men for abdominal aortic aneurysm in Sweden: a registry-based cohort study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2018
391
開始ページ
2441

背景

アメリカ・イギリス・スウェ―デンでは高齢者に腹部大動脈瘤(AAA)のスクリーニングが推奨されているが、意義はあるのか。スウェーデンUniversity of GothenburgのJohanssonらは、同国内のスクリーニング実施地域と非実施地域の男性コホートの比較を行った。

結論

2000年代初めから2015年にかけてスウェーデン男性(65-74歳)のAAA死亡率は、10万人あたり36人から10人に減少した。スクリーニングとAAA死亡率低下との間に有意な関連は見られず、スクリー二ング実施はAAAの診断および非緊急手術施行のオッズ上昇と関連していた(aOR:各1.52・1.59)。

評価

著者らは、AAA死亡率激減に寄与した最大の要因は喫煙率の低下であった、としている。検診が無益であったばかりでなく有害であった可能性も示唆しうる高インパクト結果である。

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取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)