救命の鎖は4歳児にも担いうる:KIDS SAVE LIVES
KIDS SAVE LIVES: Basic Life Support Education for Schoolchildren: A Narrative Review and Scientific Statement From the International Liaison Committee on Resuscitation
背景
院外心停止では、市民救助者(バイスタンダー)による適切な一次救命処置(BLS)が救命の鍵となるため、さまざまな機会を捉えたBLS教育・啓発活動が行われている。院外心停止の多くが家庭内で発生することを考えれば、子どもたちへのBLS教育は非常に重要である。
ドイツGerman Armed Forces Central Hospital of KoblenzのSchroederらからなるInternational Liaison Committee on Resuscitationは、児童へのBLSトレーニングのベストプラクティスを特定するために、既存文献の包括的レビューを行い、ステートメントを発表した。
結論
子どもたちはバイスタンダーによる迅速な対応が救命を可能にすることを理解しており、BLSを学ぶことに高い意欲を持っていた。CHECK-CALL-COMPRESSアルゴリズム(患者の状態を確認し、緊急通報を行い、胸骨圧迫を開始する)は全ての児童に推奨されるべきであり、BLSトレーニングにより、年齢にかかわらず長期的なスキルを獲得することができると考えられた。緊急通報番号を教えることは4歳児から可能で、10~12歳で十分に胸骨圧迫が行えるようになる。さらに児童はBLSを、家族など他の人に伝える伝道者としての役割も果たしうる。学校教師たちはインストラクターとしてBLS教育を行うことができ、教育大学のカリキュラムとしてBLSトレーニングを実施することも有効かもしれない。
評価
既存研究が示すところでは、子どもたちは年齢に応じて、BLSおよびCHECK-CALL-COMPRESSアルゴリズムを習得していくことが可能と考えられる。BLS教育イニシアチブに学術的基盤と指針をもたらすレビューである。