非淡明細胞型腎細胞がんでもペムブロリズマブ+レンバチニブが有効か:KEYNOTE-B61
Pembrolizumab plus lenvatinib as first-line therapy for advanced non-clear-cell renal cell carcinoma (KEYNOTE-B61): a single-arm, multicentre, phase 2 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
August 2023
24
開始ページ
881

背景

腎細胞がん(RCC)の大半を占める淡明細胞型RCCにおいては、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブとチロシンキナーゼ阻害薬レンバチニブの組み合わせが標準治療化しているが、比較的稀な非淡明細胞型RCCでの効果は?
フランスParis-Saclay UniversityのAlbigesら(KEYNOTE-B61)は、世界14ヵ国48施設の治療歴のないIV期非淡明細胞型RCC患者(n=158)に対し、6週ごと最大2年間のペムブロリズマブ静脈内投与と1日1回のレンバチニブ経口投与を行い、客観的奏効率を評価する第2相単群試験を実施した。

結論

患者の年齢は中央値60歳、71%が男性で、81%が白人、8%がアジア人であった。フォローアップ期間14.9ヵ月(中央値)で、49%に客観的奏功が認められた。完全奏効は6%、部分奏効は44%であった。グレード3・4の治療関連有害事象は51%で発生し、高血圧・たんぱく尿・口内炎が多かった。重篤有害事象は20%に発生した。5%が有害事象により死亡したが、治療関連と判定されたものはなかった。

評価

淡明細胞型以外のサブタイプはRCCの10~30%を占めるが、通常の臨床試験からは除外されることが多く、本試験はこの集団で行われた最大規模の臨床試験である。2剤併用療法の持続的な抗腫瘍活性を示し、標準治療の確立されていない非淡明細胞型RCCでのファーストラインオプションとなるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)