Luminal A乳がんでは乳房温存術後の放射線治療を省略できる:LUMINA研究
Omitting Radiotherapy after Breast-Conserving Surgery in Luminal A Breast Cancer
背景
早期乳がんに対する乳房温存療法では、温存乳房への放射線治療が原則必須となっているが、分子生物学的サブタイプによって放射線治療を省略できる患者を特定できるか。
カナダMcMaster UniversityのWhelanらは、乳房温存術と術後の内分泌療法を受けた55歳以上のluminal Aタイプ乳がん女性をフォローアップし、局所再発リスクを評価する前向コホート研究、LUMINAを実施した(n=500)。
結論
登録後5年で、2.3%で同側再発が報告された。90%信頼区間の上限は3.8%で、事前に指定された許容リスク境界(5%)内であった。対側乳がん発症率は1.9%、同側・対側を問わない再発率は2.7%であった。
評価
この方向性を先導しているカナダグループの最新結果で、Luminal Aタイプ乳がんでは温存術後の放射線治療を省略しても、再発は非常に稀であることを示した。乳房温存術後の放射線治療の省略可能性については、PRIME II試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2207586)をはじめとして検証が続いているが、分子的サブタイプによる選択も有望である。