免疫チェックポイント阻害薬による心筋炎をトロポニンTで評価
Cardiomuscular Biomarkers in the Diagnosis and Prognostication of Immune Checkpoint Inhibitor Myocarditis
背景
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はがんの治療に革命的進歩をもたらしたが、使用時に免疫関連有害事象(irAEs)が出現する場合がある。循環器領域では、心筋炎が大きな問題となる。
ドイツHeidelberg University HospitalのLehmannらは、フランス・ドイツの2つの腫瘍循環器ユニットで、ICI心筋炎患者の心筋トロポニン(cTn)I、cTnT、クレアチンキナーゼ(CK)を1年にわたり測定し、診断精度および予後との関連を検討した(n=60)。
結論
入院72時間以内に、cTnT検査を受けた患者の98%、cTnI検査では88%、CK検査では75%で参照上限を超える数値上昇がみられた。cTnT検査の方が陽性率が高いことは、独立した国際レジストリ(n=87)でも確認された。
本研究では40%の患者で、主要有害心筋毒性イベント(MACE)が発生し、72時間以内のcTnT最高値が90日以内のMACE発症と関連した(AUC 0.84)。参照上限の32倍以上のcTnT値は90日以内のMACE発症ともっとも強く関連するカットオフ値であった(HR 11.1)。また、cTnTはMACE発症後の患者でも上昇がみられた(100%)。
評価
cTnT値は、ICI関連心筋炎患者のMACE発症と強く関連した。少数例報告であり、追試で確認されれば、より綿密なモニタリングを必要とするがん患者の特定に汎用されうる。


