心疾患に伴う睡眠障害の原因は上頚神経節炎?
Immune-mediated denervation of the pineal gland underlies sleep disturbance in cardiac disease
背景
心疾患で頻発する睡眠覚醒サイクル障害の原因が、上頚神経節(SCG)からの交感神経支配喪失によるメラトニン分泌低下であるという仮説が現れた。
ドイツTechnical University MunichのZieglerらによるもので、剖検脳およびマウスモデルにおける、松果体およびSCGの組織学・単一細胞RNAシーケンス解析等の結果に基づく。
結論
心疾患患者で、SCGにおける炎症性マクロファージの集積・線維化および松果体支配神経の選択的喪失を確認した。モデルマウスのSCGにおけるマクロファージの除去により、松果体支配神経の除神経は阻止され、生理的メラトニン分泌が回復した。
評価
心疾患患者の睡眠障害の病態形成に関する刺激的な新仮説である。著者らは、SCG肥大が超音波で臨床的に確認できることを強調し、SCG炎の軽減、という心疾患における睡眠障害の革新的な治療概念を提示している。


