SGLT-2iの心血管有益性を非欧米リアルワールドで確認
Cardiovascular Events Associated With SGLT-2 Inhibitors Versus Other Glucose-Lowering Drugs: The CVD-REAL 2 Study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
June 2018
71
開始ページ
2628

背景

SGLT-2阻害薬(SGLT-2i)による2型糖尿病(T2D)治療で心血管疾患(CVD)リスクが低減することを示した主要研究は欧米のものである。Saint Luke's Mid America Heart InstituteのKosiborodら(CVD-REAL 2)は、世界6ヶ国(日本・シンガポール・韓国・オーストラリア・カナダ・イスラエル)の患者447,106名を対象とする傾向スコアマッチング後向解析を行った。

結論

SGLT-2iによるT2D治療が、他の血糖降下薬使用と比較してCVDリスクを低減することを確認した。ハザード比は、死亡(0.51)・心不全入院(0.64)・前2者の複合(0.60)・心筋梗塞(0.81)・脳梗塞(0.68)であった。

評価

欧米での効果を世界的に追認して血糖降下薬としてのSGLT-2iの有益性を際立たせた。JACC Editorialは「リアルワールド」研究の落とし穴に注意を促しているが、この効果の確認だけにフォーカスした介入研究の企画はもはや生産的でないとみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)