オリゴメタ前立腺がんへのホルモン療法＋転移指向治療で進行リスク1/4に
Addition of Metastasis-Directed Therapy to Intermittent Hormone Therapy for Oligometastatic Prostate Cancer: The EXTEND Phase 2 Randomized Clinical Trial
背景
転移性前立腺がんでは、少数個の転移のみを有するオリゴメタ（oligometastatic）前立腺がんを別の実体とみなし、転移巣指向治療（MDT）を行う治療個別化のコンセプトが登場している。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのTangらは、さまざまなタイプの固形がん患者を対象として、標準薬物治療へのMDT追加を検証するバスケットデザインによる第2相ランダム化比較試験EXTENDの一部として、転移が5個以下かつ2ヵ月以上のホルモン療法を受けたオリゴメタ前立腺がん患者を、全病巣への根治的放射線治療（MDT）と間欠的ホルモン療法またはホルモン療法単独へと割り付け、無増悪生存期間その他を比較した（n=87）。
結論
フォローアップ期間中央値22.0ヵ月で、無増悪生存期間（PFS）中央値はMDT併用群で未達、ホルモン療法単独群は15.8ヵ月であった（HR 0.25）。また、正常なテストステロン値を維持した無増悪生存期間についてもMDT群で中央値未達、ホルモン療法単独群で中央値6.1ヵ月であった（0.32）。
評価
ホルモン療法とMDTの治療を組み合わせることで、オリゴメタ前立腺がんの進行リスクを大きく抑えられることを実証した。第2相ではあるが、外科的切除と比較したSTOMP試験、経過観察と比較したORIOLE試験に続いて、MDTの説得力をさらに高めるRCTエビデンスである。
