CTCAでACSを予測できるか
Coronary Atherosclerotic Precursors of Acute Coronary Syndromes
背景
冠血管評価への冠動脈CTA(CTCA)の有用性が確立されているが、急性冠症候群(ACS)発症は予測できるか。韓国Yonsei UniversityのChangらは、CTCAを実施した25,251名を対象としてACS発症者と非発症者を比較するケースコントロール研究を行い、CTCA諸指標のACSリスク予測能を検討した。
結論
ベースラインでACS患者の65%以上に非閉塞性CAD、52%に高リスクプラク(HRP)を認めた。ACSのリスク上昇因子は、HRP・狭窄率(%DS)・断面プラク負荷・線維脂質プラク・壊死性コアであった。CTCAによって特定されたACS発症前の129責任病変中75%が狭窄率50%未満であった一方、HRPを認めたのは31%であった。
評価
HRP・%DSを初めとするCTCAリスク因子は、重要ではあるもののどれによってもACSは決定的には予測できない、という慎重な解釈が可能な結果である。