シチシンの禁煙効果を確立：ORCA-2
Cytisinicline for Smoking Cessation: A Randomized Clinical Trial
背景
シチシンの禁煙効果の報告は多い。
アメリカHarvard Medical SchoolのRigottiら（ORCA-2）は、喫煙者810名を対象として、新たな薬物動態学に基づくシチシン投与の有効性を検証する多施設3群間RCTを行った。参加者を1：1：1の割合で12週間、1日3回シチシン3 mg投与を行う12週投与群と1日3回プラセボ投与を行うコントロール群、また6週間1日3回シチシン3 mg投与後、6週間1日3回プラセボ投与を行う6週投与群に割り付け、全患者に行動支援を行った。一次アウトカムは、試験期間最終4週目での生化学的検証による禁煙継続である。
結論
シチシンの一次アウトカム効果を確認した（継続禁煙率 6週投与群：3-6週, 25.3% vs. 4.4% [OR 8.0]、3-24週, 8.9% vs. 2.6% [OR 3.7]、12週投与群：9-12週, 32.6% vs. 7.0% [OR 6.3]、9-24週, 21.1% vs. 4.8% [OR 5.3]）。嘔気・異常な夢・不眠の発生率は各群同等だったが、2.9%が有害事象で服用を中止した。
評価
COVID-19パンデミック中に行われ、シチシンの高い有効性を確認したRCTである。ORCA-V1・ ORCA-3でも同様に良好な結果を報告している。バレニクリンやブプロピオン徐放剤のように副作用がないわけではないが、副作用は両薬より軽く発生頻度も少ないという。
