小児UTIでの短期抗菌薬コースは合理的オプションか:SCOUT
Short-Course Therapy for Urinary Tract Infections in Children: The SCOUT Randomized Clinical Trial
背景
小児の尿路感染症(UTI)における至適な抗菌薬治療の期間は?
アメリカChildren's Hospital of PhiladelphiaのZaoutisら(SCOUT)は、2つの小児病院の外来・救急外来を受診した2ヵ月〜10歳のUTI患者のうち、5日間の抗菌薬投与で臨床的改善がみられた患者を、さらに5日間の抗菌薬(標準コース)または対応プラセボ(短期コース)を投与する非劣性RCTを実施した(n=664)。一次アウトカムは治療失敗とし、初回フォローアップ受診時(11〜14日目)以前の症候性UTI感染と定義した。
結論
96%が女児であった。治療失敗は、標準コース群の0.6%、短期コース群の4.2%に認められた(絶対差 3.6%)。短期コース群の児では、初回フォローアップ時の無症候性細菌尿・尿培養陽性が多かった。
評価
5日間で臨床的改善がみられたUTI児での抗菌薬終了は、投与継続と比べて治療失敗率が高かった。とはいえ、短期コースでも治療失敗率は5%以下と低く、合理的な選択肢として考慮することができる。