動脈瘤性くも膜下出血での腰椎ドレナージは神経学的転帰を改善:EARLYDRAIN
Effectiveness of Lumbar Cerebrospinal Fluid Drain Among Patients With Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: A Randomized Clinical Trial
背景
動脈瘤性くも膜下出血後の患者では、脳血管攣縮による二次梗塞のリスクがあり、腰椎ドレナージがこれを予防しうるかは重要な問題である。
ドイツCharité-Universitätsmedizin BerlinのWolfら(EARLYDRAIN)は、ドイツ・スイス・カナダの16施設の動脈瘤性くも膜下出血患者を、動脈瘤治療後の早期(72時間以内)腰椎脊髄液ドレナージまたは標準治療のみへと割り付け、6ヵ月後の神経学的不良アウトカム(修正ランキンスケール 3-6)を比較するプラグマチックRCTを実施した(n=307)。
結論
6ヵ月後の神経学的不良アウトカム率は、腰椎ドレナージ群32.6%、標準治療群44.8%であった(リスク比 0.73)。腰椎ドレナージ群では、退院時点での二次梗塞も少なかった(28.5% vs. 39.9%, リスク比 0.71)。
評価
早期の腰椎ドレナージは、神経学的不良、二次梗塞ともに有意に減少させた。ルーチンな腰椎ドレナージを支持するエビデンスとなる。