Etripamilスプレーで PSVTをRAPIDにコンバージョン
Self-administered intranasal etripamil using a symptom-prompted, repeat-dose regimen for atrioventricular-nodal-dependent supraventricular tachycardia (RAPID): a multicentre, randomised trial
背景
Etripamilは、経鼻投与短時間作用型L型Caチャネル拮抗薬である。
イギリスSt George's University of LondonのCammら(RAPID)は、18歳以上の房室結節依存性発作性上室性頻拍(PSVT)患者を対象に、その効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(n=184, 対照:プラセボ)。患者は発作30分以内に患者自身で同薬をスプレーで反復点鼻した。一次アウトカムは、初回投与後30分以内にPSVTが洞調律に30秒以上移行するまでの時間である。
結論
Etripamilの一次アウトカム効果を認めた(HR 2.62)。回復までの時間の中央値は実薬群で17.2分、プラセボ群で53.5分であった。治療因有害事象は実薬群の50%で発現したが(プラセボ群11%)、ほとんどは局所反応で軽〜中等度であった。重篤有害事象・死亡はなかった。
評価
Milestone Pharmaceuticalsが開発したゲームチェンジャー薬である。すでに同系薬は「頓服」として使われており、点鼻スプレーへの移行は自然である。心房細動への利用可能性は重要で、現在 第2相ReVeRA- 201が進行中である(https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04467905)。

