III期NSCLCでの術前化学療法+ニボルマブで生存率向上:第2相NADIM II
Perioperative Nivolumab and Chemotherapy in Stage III Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
NADIM試験は、III A期非小細胞肺がん(NSCLC)の術前化学療法にニボルマブを追加することで、高い奏効率と腫瘍ダウンステージ率を達成しうることを示した(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(20)30453-8)。
スペインHospital Universitario Puerta de Hierro-MajadahondaのProvencio(NADIM II)らは、切除可能なIII A期/III B期NSCLC患者を、術前ニボルマブ+プラチナ化学療法後にR0切除となった患者では、6ヵ月間の術後ニボルマブ療法を行う実験群、または化学療法のみの対照群へと2:1で割り付ける第2相RCTを実施した(n=86)。
結論
切除肺・リンパ節における病理学的完全奏効は、実験群の37%、対照群の7%で達成された(相対リスク 5.34)。実験群の93%、対照群の69%が手術に進んだ(相対リスク 1.35)。推定24ヵ月無増悪生存率は実験群67.2%、対照群40.9%であり(HR 0.47)、全生存率はそれぞれ85.0%、63.6%であった(0.43)。グレード3・4の有害事象は実験群の19%、対照群の10%で発生した。
評価
術前化学免疫療法は化学療法単独と比べてpCR率が高く、PFS・OSも有意に改善した。第3相Checkmate 77T試験(NCT04025879)も来年には完了する予定である。