イーライリリーの経口抗肥満薬orforglipronは有望:GZGI
Daily Oral GLP-1 Receptor Agonist Orforglipron for Adults with Obesity
背景
イーライリリー社開発のorforglipronは、1日1回経口投与の非ペプチドGLP-1受容体作動抗肥満薬である。
カナダMcMaster UniversityのWhartonら(GZGI Investigator)は、糖尿病がなく、1つ以上の体重関連併存疾患を有する過体重/肥満患者272名を対象として、その有効性・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ, 36週)。一次エンドポイントは、ベースライン後26週での体重変化率である。
結論
Orforglipron各試験用量で一次エンドポイント効果を認めた(-8.6%~-12.6% vs. [プラセボ] -2.0%)。Orforglipron投与群の最も頻度の高い有害事象は、軽度~中等度の胃腸障害であり、主に用量漸増期で報告が相次ぎ、10~17%の患者が投薬中止した。
評価
Lancet報告の2型糖尿病患者への第2相試験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37369232/)でも高い血糖管理効果をみせている。承認は確実とみられるが、安全面からも第3相大規模確認は必須である。同社は、新規「トリプルG」抗肥満薬の第2相成功もNEJMで報告しており(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2301972)、急成長中の巨大な抗肥満薬市場のリーダーとなりつつある。