脳底動脈閉塞症に対する機械的血栓除去術の有効性を確認:問題はデバイス
Mechanical thrombectomy in basilar artery occlusion: influence of reperfusion on clinical outcome and impact of the first-line strategy (ADAPT vs stent retriever)
背景
後方循環系で生じた脳塞栓症に対して機械的血栓除去術はどこまで有効か。フランスUniversity of LorraineのGoryらは、同国3センターで脳底動脈閉塞症に対する機械的血栓除去術を受けた100名の患者に関する後向解析を行った。
結論
mTICI≧2b達成は79.0%、術後90日目のmRS 0〜2達成率は36.8%、術後90日目の死亡率は44.2%であった。mTICI≧2bが、術後90日目のmRS 0〜2の強い予測因子であった(OR:4.57)。治療安全性にADAPTとステントリトリーバーの有意差はなかった。ただし、ADAPTはステントリトリーバーよりmTICI 3達成率が高く、治療中脳塞栓症発生率も低かった。
評価
脳底動脈閉塞症に対する機械的血栓除去術に関してはすでにメタアナリシスもあり(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25986363)、有力戦略であることは確実である。デバイスに関してADAPTを優位とする結果は未だ得られていないが、それを選好する術者は増えそうである。