アメリカNCIがスポンサーした臨床試験はがん患者の寿命を1420万年延ばした
Population, Clinical, and Scientific Impact of National Cancer Institute's National Clinical Trials Network Treatment Studies
背景
アメリカ国立がん研究所(NCI)は、National Cancer Clinical Trials Network(NCTN)を通じて過去50年にわたってがん研究を公的に支援してきた。
アメリカFred Hutchinson Cancer CenterのUngerらは、4つのNCTNグループで1980年以降に報告された、統計的に有意な結果を報告した第3相ランダム化試験を特定し、これらの試験の患者アウトカムへの影響と科学的インパクトを系統的に評価した。
結論
108,334名の患者を含む、162件の試験が解析された(実施された試験の29.8%)。最も多いがんは乳がんで、子宮・卵巣がん、肺がんが続いた。試験結果は計165,336回引用され、試験の87.7%がガイドラインにおいて推奨治療を支持するために引用された。これらの試験は、がん患者の生存年を1420万年延長し、2030年までに2410万年延長すると予測された。2020年までに得られた生存年あたりの連邦投資コストは326ドルであった。
評価
いち早く国家レベルでのがん研究支援を行ってきたNCIがスポンサーした第3相試験を系統的に調査し、研究のインパクト、患者にもたらした利益を具体的な形で示した。生存年1年あたり326ドルと、コスト効果が非常に高いことも示され、公的なイニシアチブの力を印象づけるデータと言える。