心血管系低リスクの抗HIV薬は
Cardiovascular disease and use of contemporary protease inhibitors: the D:A:D international prospective multicohort study
背景
HIV感染者は心血管系疾患リスクが増すが、それを増幅しない抗HIV薬は。デンマークUniversity of CopenhagenのRyomら(D:A:D)は、欧米11前向コホートのHIV患者データに基づき、リトナビル・アタザナビルおよびリトナビル・ダルナビル療法のHIV患者の心血管疾患発症リスクを評価した(n=49,709)。焦点アウトカムは、現代的治療を受けている16歳以上の患者における心血管疾患の発生である。
結論
中央値の6.96年のフォローアップで1000人年あたり心血管イベントが5.34発生した。リトナビル・ダルナビル使用は心血管疾患リスクを増したが(発生率比1.59)、リトナビル・アタザナビル使用はリスク中性だった(1.03)。
評価
今世紀初めにプロテアーゼ阻害薬に心血管リスクのあることを初めて示したD:A:D研究による長期研究の成果で、2013年のレビューが「致命的」としていた問題(https://watermark.silverchair.com/eht388.pdf)に一定の回答を与えた。