BVS以後5年間アテローマ性動脈硬化症が進展する
Neoatherosclerosis 5 Years After Bioresorbable Vascular Scaffold Implantation

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
May 2018
71
開始ページ
1882

背景

エベロリムス溶出BVS(生体吸収性ステント)はアテローマ性動脈硬化症の進展を抑制することを期待して開発されたが、長期結果はどうか。日本Shonan Kamakura General HospitalのMoriyamaらは、ABSORB EXTEND研究に参加した安定狭心症者20名を対象として、ABSORB BVS Rev. 1.1留置5年間における、neoatherosclerosisの状況を、OCTを含むマルチイメージングにより検討した。

結論

ベースラインCAGでは、46%の病変はB2/C型であった。1年および5年のフォローアップでは、スキャフォールドに有意に脂質蓄積新生内膜(17% vs. 61%)・石灰化(28% vs. 94%)・血管新生(6% vs. 78%)・TCFA(0% vs. 22%)が認められた。他方、スキャフォールド外セグメントでは、このような変化は認められなかった。

評価

BVSは十分に吸収された長期で初めて真価を発揮する、という予測があったが、5年後でもneoatherosclerosisが進展していることを確認した。例数が少なく十分に定量的ではないがインパクトは強く、広汎な確認が必要な結果である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)