重症成人での気管挿管、ビデオ喉頭鏡で初回成功率上昇:DEVICE試験
Video versus Direct Laryngoscopy for Tracheal Intubation of Critically Ill Adults
背景
気管挿管でのビデオ喉頭鏡の使用は、直接喉頭鏡よりも良好な視覚化をもたらし、初回挿管成功率が高い可能性が示唆されている。
アメリカHennepin County Medical CenterのPrekkerら(DEVICE)は、17ヵ所の救急外来・集中治療室で気管挿管を受ける成人重症患者を、ビデオ喉頭鏡または直接喉頭鏡へと割り付け、初回挿管成功率を比較するRCTを実施した。
結論
事前に設定された中間解析の結果、有効性が確認されたため、試験は中途終了した。解析に含まれた1,417名のうち、91.5%が救急レジデントまたは集中治療フェローによる挿管を受けた。初回挿管成功率は、ビデオ喉頭鏡群で85.1%、直接喉頭鏡群で70.8%であった(絶対リスク差 14.3%)。挿管中の重症合併症は、ビデオ喉頭鏡群の21.4%、直接喉頭鏡群の20.9%で発生した。食道挿管、歯牙損傷、誤嚥の各アウトカムに群間差はなかった。
評価
先行RCTには結果が曖昧なものもあったが(https://doi.org/10.1097/CCM.0000000000001841, https://doi.org/10.1001/jama.2016.20603)、過去最大規模の本RCTでは、15%近い初回成功率の向上が認められた。熟達者以外は、ビデオ喉頭鏡の使用がスタンダードとなるとみられる。