伏在静脈グラフト病変にはDESかBMSか
Efficacy Over Time With Drug-Eluting Stents in Saphenous Vein Graft Lesions
背景
現在PCIの5〜10%は伏在静脈グラフト病変治療のために行われているが、どのステントがよいか。ドイツTechnische Universitat MunchenのByrneら(ISAR-CABG)は、患者をDES(パーマネントポリマーパクリタキセル溶出・パーマネントポリマーシロリムス溶出・生分解性ポリマーシロリムス溶出)またはBMSに割り付けるRCTを行った(n=610)。一次エンドポイントは、5年間死亡・MI・TLRの総発生率である。
結論
一次エンドポイントで群間有意差はなかった。1年後ではDES群でイベント発生率が低く(HR:0.64)、その後高まった(HR:1.24)。この関連は、とくに1年以内TLRがDES群で有意に低いが(HR:0.49)、その後上昇することによっていた(HR:2.02)。
評価
同試験は1年結果でDES優位を発表していたが、長期的には差がないという結論に変更した。軽症例ではBMSでよいという結果になるが、伏在静脈グラフトは橈骨動脈グラフトに置き換えられる趨勢にある。