心停止患者での全身スキャンは原因の早期特定に有用
Diagnostic yield, safety, and outcomes of Head-to-pelvis sudden death CT imaging in post arrest care: The CT FIRST cohort study
背景
心停止の原因が明らかでない院外心停止(OHCA)患者で、頭部-骨盤CTスキャン(パンスキャン)を行うことは原因の特定に有用か?
アメリカUniversity of WashingtonのBranchらは、蘇生に成功した成人OHCA患者を前向登録し、既知の心筋症・閉塞性冠動脈疾患がない患者で、到着後6時間以内のパンスキャンによる診断特定率を検証する前後研究CT FIRSTを実施した。
結論
標準治療期間(n=143)、パンスキャン追加期間(n=104)の患者背景は類似していた。標準治療期間では52%の患者でCTがオーダーされた。パンスキャン追加期間に、心停止原因の特定率は75%から92%に上昇し、診断までの時間は14.1時間から3.1時間へ、78%短縮された。クリティカルな診断の遅れ(6時間以上)は81%減少した。生存退院率は、コホート間で同等であった。
評価
プロトコル化されたパンスキャンは、心停止原因の特定に有用であった。ただし、診断の改善が患者アウトカムの改善に繋がるかは不明である。外傷患者でのRCTは生存率の改善を示せておらず(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(16)30932-1, http://doi.org/10.1001/jamapediatrics.2018.0109)、心停止患者での有益性にも留保が必要だろう。