敗血症に対するメロペネム連続投与は間歇投与と変わらず:MERCY
Continuous vs Intermittent Meropenem Administration in Critically Ill Patients With Sepsis: The MERCY Randomized Clinical Trial
背景
敗血症患者へのβ-ラクタム系抗菌薬投与では、最小発育阻止濃度を超える時間(time above MIC)をより長くするため、連続・長期投与が有効と考えられている。
イタリアIRCCS San Raffaele Scientific InstituteのMontiら(MERCY)は、クロアチア・イタリア・カザフスタン・ロシアの4ヵ国26施設31ICUで、担当医からメロペネムを処方された敗血症・敗血症性ショック患者を登録し、連続投与または間歇投与へ割り付け、死亡および耐性菌の出現(一次アウトカム)や、その他のアウトカムを比較するdouble-blind RCTを実施した(n=607)。
結論
61%は敗血症性ショック患者であった。28日以内の一次アウトカム率は連続投与群47%、間歇投与群49%であった(相対リスク 0.96)。4つの二次アウトカムにも統計的有意差はなかった。90日死亡率は連続投与群、間歇投与群とも42%であった。
評価
理論的な利点にもかかわらず、RCTでは連続投与のベネフィットを示すことに失敗することが多く(メタアナリシスは死亡率低下を示唆)、最大規模の検証となった本試験でも、両群のアウトカムに差はみられなかった。一方、本試験の10倍の患者を登録するBLING III試験が既に登録終了しており、この問題に決定的エビエンスをもたらすと期待されている(NCT03213990)。