敗血症性ショックの初期治療にメチレンブルー?
Early adjunctive methylene blue in patients with septic shock: a randomized controlled trial
背景
メチレンブルーは、一般には魚病薬として知られ、メトヘモグロビン血症の治療で国内承認を受けている薬だが、NO生成に関与する2酵素(iNOS・sGC)の特異的阻害による間接的昇圧作用があるとされ、過去には敗血症性ショックへの効果が検証されたこともある。
メキシコUniversidad de GuadalajaraのIbarra-Estradaらは、敗血症性ショック(Sepsis-3基準)患者をメチレンブルーまたはプラセボへと割り付け、昇圧剤中止までの期間に与える影響を評価する単施設RCTを実施した(n=91)。
結論
メチレンブルー群では昇圧剤中止までの期間が短く(69時間 vs. 94時間)、またICU滞在期間は1.5日、入院期間は2.7日短縮した。人工呼吸器使用日数と死亡率には差はなかった。メチレンブルー投与に関連する重篤な有害作用は認められなかった。
評価
敗血症性ショックではカテコールアミン系昇圧剤が用いられるが、固有の副作用があり、昇圧戦略のマルチモーダル化を模索する動きがある。本RCTは小規模ながら、メチレンブルーが昇圧剤の使用期間を短縮する可能性を示唆し、検証の継続を正当化した。