ICDの「電気ストーム」にはアミオダロンと非選択的βブロッカー
Propranolol Versus Metoprolol for Treatment of Electrical Storm in Patients With Implantable Cardioverter-Defibrillator
背景
ICD患者では電気ストーム(ES)が大きな脅威であり、現在アミオダロン静注・βブロッカー併用が標準となっている。ギリシャNational and Kapodistrian University of AthensのChatzidouらは、24時間以内にESをきたした60名のICD患者を対象として、非選択的βブロッカー(プロプラノロール)とβ1選択的ブロッカー(メトプロロール)の有効性を比較するRCTを行った。
結論
プロプラノロールのメトプロロールへの優位を確認した(心室性不整脈発生のincidence rate ratio: 0.375)。ICDショック頻度も著減した(incidence rate ratio: 0.428)。不整脈イベント消失率・消失までの時間・入院期間すべてでプロプラノロールがより有効だった。
評価
緊急状況で困難なRCTを実行し、顕著な効果差を示した印象的研究である。非選択的βブロッカーがより有効となる機序としては、低K血症への拮抗、ミトコンドリア保護等が示唆されており、興味深い研究課題も提起した。