切除可能な非小細胞肺がんでの周術期ペムブロリズマブ:KEYNOTE-671
Perioperative Pembrolizumab for Early-Stage Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
免疫チェックポイント阻害薬は、近年、切除可能ながん患者に対する術前・術後補助療法でも検証が進んでいる。
アメリカStanford UniversityのWakeleeら(KEYNOTE-671)は、II〜IIIB期の切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者を、術前4サイクルのシスプラチン化学療法と手術に加えて、術前4サイクルおよび術後最大13サイクルのペムブロリズマブまたはプラセボを割り付け、無イベント生存率・全生存率を比較する第3相多施設RCTを実施した(n=797)。
結論
第1回中間解析(フォローアップ期間の中央値25.2ヵ月)での24ヵ月無イベント生存率は、ペムブロリズマブ群62.4%、プラセボ群40.6%であった(HR 0.58)。24ヵ月生存率は各群80.9%、77.6%であり、有意基準は満たさなかった。主要な病理学的奏功はペムブロリズマブ群の30.2%、プラセボ群の11.0%で、病理学的完全奏功は、それぞれ18.1%、4.0%で生じた。
評価
切除可能NSCLCでは、CheckMate 816の術前ニボルマブ(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2202170)、KEYNOTE-091の術後ペムブロリズマブ(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(22)00518-6)などが有効性を示している。本試験が検証した周術期ペムブロリズマブも新たなオプションとして加わるだろうが、術前と術後、どちらがより本質的な効果を生み出しているのか、という興味深い問題が残されている。