重症僧帽弁輪石灰化患者に対するTMVRの試み
1-Year Outcomes of Transcatheter Mitral Valve Replacement in Patients With Severe Mitral Annular Calcification.
背景
手術高リスク重症僧帽弁輪石灰化(MAC)患者に経カテーテル的僧帽弁置換術(TMVR)は有益か。Evanston HospitalのGuerreroらは、MACに対するTMVRの国際レジストリ(MAC Global Registry)データ(n=116)に基づき、1年後アウトカムを後向検証した。
結論
30日・1年後全死亡率は各25%・53.7%であった。30日生存患者の63.6%が1年後も生存し、その71.8%がNYHA I・IIとなった。1年時点でエコーデータを得た34名の平均LVEFは58.6%、その75%でMRがほぼ消失していた。
評価
同レジストリは2016年の64例報告で「実行可能」としたが、生存率データは出さなかった(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27388824)。症例数を倍増した今回の報告でも「実行可能」とされたが、1年で半数が死亡するという厳しい状況である。適応患者の絞り込みが行われることになろう。