サイズの小さい脳梗塞では抗血小板薬が有効?:RESCUE BT2
Tirofiban for Stroke without Large or Medium-Sized Vessel Occlusion
背景
急性脳梗塞患者に対する血管内治療への抗血小板・抗凝固療法の併用はアウトカムを改善するか。
オランダMR CLEAN-MED試験、中国RESCUE BT試験はいずれもネガティブな結果となったが、これらの試験はいずれも主幹動脈閉塞(LVO)を対象としたものであった。
中国Army Medical University(Third Military Medical University)のZiら(RESCUEBT2)は、主幹動脈・中動脈の完全閉塞を認めず、血栓溶解療法・血栓除去療法の適応とならないNIHSSスコアが5以上の急性脳梗塞患者を、GP IIb/IIIa受容体阻害薬tirofibanまたは経口アスピリンへと割り付け(ダブルダミー)、90日後の修正ランキンスケール(mRS)を比較する多施設RCTを実施した(n=1,177)。
結論
ほとんどの患者はアテローム性と推定される小さな梗塞を有した。一次アウトカムである機能的良好アウトカム(mRSが0-1)率は、tirofiban群で29.1%、アスピリン群で22.2%であった(調整リスク比 1.26)。ただし、二次アウトカムにおける有効性は明確ではなく、死亡率は両群で同等であった。また、症候性脳内出血がtirofiban群の1.0%で発生した。
評価
LVO・中動脈閉塞(MeVO)の無い急性期脳梗塞患者を対象とした本試験では、tirofibanでアスピリンを上回る利益が示唆された。ただし、二次アウトカムとの不一致、先行した小規模試験との不一致があることから、中国以外の施設も参加した追加検証を行うことが望まれる。