たこつぼ症候群の血行動態を精密評価
Hemodynamic Assessment in Takotsubo Syndrome
背景
たこつぼ症候群(TTS)の病態生理は未だ不明点が多い。
ドイツUniversity Hospital Schleswig-HolsteinのStiermaierら(OCTOPUS)は、TTS患者24名と心血管疾患のない対照者20名を対象に、左室圧-容積ループを記録し、TTS患者の血行動態の変化を解析した。
結論
TTS患者における、心収縮能の低下(Ea 1.74 mm Hg/mL vs. 2.35 mm Hg/mL等)・収縮期の短縮(286ms vs. 343ms)・エネルギー転換の非効率性・能動的弛緩の延長(弛緩定数 69.5 ms vs. 45.9 ms)を証明した。一方、拡張期の受動的スティフネスには著変がなかった。これらの所見は、TTSの筋フィラメントタンパク質のリン酸化の減少を示唆し、治療標的となりうる。
評価
左室にコンダクタンスカテーテルを挿入し、左室圧‐容積ループを実測して得られた結果である。未だ少数例だが、著書らは「βブロッカーにlevosimendan and/or omecamtiv mecarbilを併用するアプローチを支持するもの」とし、臨床試験を正当化している。


