トランスサイレチン心アミロイドーシスに新規アミロイド抗体薬NI006が有望
Phase 1 Trial of Antibody NI006 for Depletion of Cardiac Transthyretin Amyloid
背景
トランスサイレチン心アミロイドーシス(ATTR-CM)への現在唯一の標的化治療薬はTTRスタビライザーだが、効果は進行予防に限られる。
スペインHospital Universitario Puerta de Hierro MajadahondaのGarcia-Paviaらは、同心不全患者40名を対象として、ATTRを除去する新規抗トランスサイレチンアミロイド抗体NI006の安全性・効果を検証する第1相RCTを行った(対照:プラセボ , 4週毎4ヵ月間静注)。NI006の安全性と薬物動態プロファイルを評価するとともに、心画像検査で心機能を評価した。
結論
NI006の使用は、重篤有害事象と関連せず、抗薬物抗体は生成されなかった。心シンチグラフィーでのトレーサー取り込みおよび心臓MRIでの細胞外容積の減少を確認した。さらに、NT-proBNP・TnT中央値の低減も確認した。
評価
第1相試験であるが、学会発表ではセンセーションを巻き起こし、早くも「ゲームチェンジャー、早期承認」の声が出ている。現在遺伝子治療も試みられているが、抗体治療はより標準的であり、期待は高い。開発したNeurimmune社はAstraZeneca社と独占提携に入り、ライセンス契約を締結した。



