非外傷性脳内出血、早期降圧を含むバンドルケアでアウトカム改善:INTERACT3試験
The third Intensive Care Bundle with Blood Pressure Reduction in Acute Cerebral Haemorrhage Trial (INTERACT3): an international, stepped wedge cluster randomised controlled trial
背景
脳内出血の急性期では半数を超える患者で血圧上昇が認められ、これに対して降圧療法が推奨されているが、これまで行われたランダム化比較試験からの結果は曖昧である。
中国Sichuan UniversityのMaらは、中・低所得国9ヵ国と高所得国1ヵ国の脳内出血プロトコルの定められていない病院で、非外傷性脳内出血患者に対するケアバンドル、早期降圧(収縮期血圧目標 <140 mmHg)・厳格血糖管理・体温管理(≦37.5°C)・ワルファリン関連抗凝固療法の是正(IRN <1.5)、を順次導入していくステップウェッジ方式のクラスターランダム化比較試験INTERACT3を実施した。
結論
修正ITT集団には、121施設から7,036名の患者が含まれた。修正ランキンスケール(mRS)は、バンドルケア群で通常ケア群より高く(不良アウトカムの共通オッズ比 0.86)、この変化は感度分析でも一貫していた。また、バンドルケア群では重篤有害事象が少なかった(16.0% vs. 20.1%)。
評価
降圧だけでなく、血糖・発熱管理なども加えたバンドルケアにより、急性脳内出血の第3相試験で初めてのポジティブ結果をもたらした。医療リソースに乏しい環境でも利用可能な点は重要で、グローバルな影響をもたらしうる。