メトホルミン使用T2D患者への諸血糖降下薬の腎機能への影響：GRADE

Comparative Effects of Glucose-Lowering Medications on Kidney Outcomes in Type 2 Diabetes: The GRADE Randomized Clinical Trial

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背景

メトホルミン治療下2型糖尿病（T2D）患者に様々な血糖降下薬が追加されるが、腎機能アウトカムは異なるか。
アメリカMassachusetts General Hospital のWexlerら（GRADE）は、同研究参加患者5,047名（HbA1c値6.8%〜8.5%、eGFR 60 mL/min/1.73 m²以上で発症10年以内のメトホルミン治療中）を対象とする解析を行った。追加薬は、SU薬（グリメピリド）・DPP-4阻害薬（シタグリプチン）・GLP-1受容体作動薬（リラグルチド）・インスリン（インスリングラルギン）のいずれかである。一次アウトカムは、GFR slope・蛋白尿・透析・腎臓移植である。

結論

平均 eGFR slopeに薬剤間有意差はなく、5年追跡中の蛋白尿・透析・腎移植・死亡発生にも有意差はなかった。

評価

多様化した血糖降下薬を斉一的に直接比較して信頼度の高いGRADE研究の最新報告である。初期には「血糖管理に限ってはliraglutide と insulinか」という結果も出していたが（https://diabetes.medicinematters.com/ada-2021/medications/grade-study-metformin-add-ons/19311618）、未だ総合的に何れかが優れる、という結論には達していないようである。