サクビトリル/バルサルタン合剤のPARADIGM-HF試験、二次分析でも有効
Effects of Sacubitril/Valsartan on Physical and Social Activity Limitations in Patients With Heart Failure: A Secondary Analysis of the PARADIGM-HF Trial
背景
PARADIGM-HFは、ネプリライシン阻害薬（サクビトリル）・ARB （バルサルタン）併用（ENTRESTO）が、心不全（CHF）患者の死亡・CHF入院リスクを低減するだけでなく、HRQOLでもエナラプリルに優れることを示した。同試験のChandraら（MGH）は、さらにKCCQによる身体・社会的制限アウトカムの長期結果を発表している（n=7,618）。
結論
ベースラインでは、ジョギング・性的関係で最大の制限が報告されていた。サナビトリル/バルサルタンはエナラプリルと比較して、8ヶ月・36ヶ月のほとんどの身体的・社会的活動において、調整スコア変化を有意に改善した。家事（スコア変化差：2.35）・性的関係（スコア変化差：2.72）でエナラプリルを最大に上回り、この効果はともに36ヶ月間持続した。
評価
CHF薬ではミオシン活性化薬mecarbil等新規薬の開発も進んでいるが、このNovartisの合剤は組み合わせによって既存薬の有益性を拡張した。同薬はリモデリングへの効果も報告されている（https://academic.oup.com/eurheartj/article-abstract/38/44/3308/4259266）。
