救急の精神疾患患者にテレメディシンは可能か
The effect of telemental versus in-person mental health consults in the emergency department on 30-day utilization and processes of care
背景
精神科医療従事者が不足しているため、精神疾患を訴えて救急を受診した患者は適切な診療を受けることが難しい。現在、COVID-19パンデミックを大きな機会として遠隔医療・オンライン診療の導入が拡がっているが、急性精神疾患患者のケアにおける遠隔医療(テレメンタルヘルス)のインパクトは?
アメリカVanderbilt University Medical CenterのHanらは、ある退役軍人医療システムの救急外来・緊急医療クリニックでの探索的後向コホート研究を行い、テレメンタルヘルスおよび対面の診療がアウトカム・ケアプロセスに与える影響を評価した(n=496)。
結論
69.8%がテレメンタルヘルス、30.2%が対面による評価を受けた。30日以内の再受診/再入院/死亡(複合一次アウトカム)に有意な差はなかった(調整オッズ比 1.47)。テレメンタルヘルスは滞在時間の有意な増加(1.46)、非自発な措置入院の減少(0.42)と関連した。その他のアウトカムとは関連を認めなかった。
評価
テレメンタルヘルスが対面診療と異なる結果を引き起こすのかは、十分に検証されていないテーマである。本研究は、退役軍人病院という一般化の難しい患者集団ではあるものの、大半のアウトカムに差がないことを示唆した。テレメンタルヘルスで措置入院が減少した点は特に興味深く、追加研究が待たれる。