TRに対するPASCALシステムTEERの1年結果を発表:CLASP TR
1-Year Outcomes of Transcatheter Tricuspid Valve Repair
背景
孤立性三尖弁逆流症(TR)に対する PASCALシステムによる TEERの有効性・安全性は。
アメリカColumbia UniversityのKodaliら(CLASP TR)は、重症以上のTRで薬物療法不応の患者65名に対して行われた前向試験の1年結果を発表している。一次アウトカムは、UCG・臨床・機能的エンドポイントによる、安全性・心機能エンドポイントである。
結論
30日心血管因死亡率は3.1%、脳卒中発生率は1.5%で、デバイス関連再介入はなかった。30日以後1年までに、さらに3名が心血管因死し(4.8%)、2名で脳卒中(3.2%)、1名で計画外または緊急再介入(1.6%)が発生した。術後1年で、TR重症度は有意に低下し、86.0%が中等度以下のTRとなり、100%が少なくとも1段階のTR低下を達成した。死亡および心不全入院からの解放率は、各87.9%・78.5%であった。NYHAは92%がクラスI/IIと有意に改善し、6MWDは94m増加し、KCCQスコアは18点改善した。
評価
TRに対するTEERの評価は急速に進んでおり、最近TRILUMINATEが、TriClipシステムによる治療の大規模RCTの成功を伝えた(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2300525)。手法自体の価値は確認され、システム間で優劣が競われる段階に入っている。